ニューヨーク在住のコンポーザー、エリオットカーターは101歳になった今も毎日作曲をしています。1908年に生まれ、第一次世界大戦も経験し、20世紀を見届けてきた貴重な作曲家です。裕福な家庭に生まれて、高校時代に通った私立高校の先生が音楽の道へと導いてくれました。当時のアメリカは禁酒法がまだ発令中で、バーに通うことなどは裏社会そのものでしたが、ビレッジ(マンハッタン)にある芸術家の集まり(Salon)に通って、もっと音楽への道が開けたそうです。当時にしては珍しく、コンテンポラリー思考で、伝統的な作曲方法には全く興味がなかったらしく、ハーバードでは文学を専攻しています。
そして、多くの作曲家が20世紀最も影響を受けたナディアブーランジェに師事するためにパリへ移住。そこではまさに彼が通ってこなかった伝統的な教育を目一杯受け、アメリカに戻ってくることになります。
彼は常にチャレンジ精神が旺盛で、自分に何ができるか、何をまだしていないか、残された時間をどういう風に使うか、50歳の誕生日では節目としてString Quartetを、続いてオペラにも挑戦し、十数年前に妻を亡くした時には曲を綴り、100歳になった今ではお世話になった人や大切な人あてに一曲一曲短い曲を書いているそうです。
彼の作品を通して聴くと、一言では語れない歴史があります。常に新しいことにチャレンジしてきて、80年以上音楽に携わっているわけですから、その移り変わりそのものが彼の人生という感じです。101歳ですから、友達もほとんど居なくなってしまったと嘆いているそうですが、それでも毎日朝起きて3時間は作曲をするというスタンスが今も変わらず行われていることには脱帽です。
今日彼が去年書き改めた80年代に作曲したトランペットの手書き譜を見ました。101歳とは思えない譜面です。そこに散りばめられた音はまだまだ曲を作る意欲に溢れていました。
これからも一曲でも多く曲を作ってほしいです。
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